令和3年6月に育児・介護休業法が改正され、前回のコラムでご案内している通り令和4年4月1日から段階的に施行されています。 今回は、令和4年4月1日、令和4年10月1日の施行に続き、3段階目である令和5年4月1日に施行された改正点を説明します。
常時雇用する労働者数が1,000人超の事業主は、毎年少なくとも1回、男性労働者の育児休業の取得の状況を公表しなければなりません。
育児休業の取得の状況とは、公表を行う日の属する事業年度の直前の事業年度(公表事業年度)における「男性の育児休業等の取得率」または「男性の育児休業等と育児目的休暇の取得率」です。
①男性の「育児休業等の取得率」
②男性の「育児休業等と育児目的休暇の取得割合」
「育児休業等」とは
育児介護休業法に規定する以下の休業のことです。
・育児休業
・法23条2項(3歳に満たない子を育てる労働者について所定労働時間の短縮措置を講じない場合の代替措置義務)又は法24条1項(小学校就学前の子を育てる労働者に関する努力義務)の規定に基づく措置として育児休業に関する制度に準ずる措置を講じた場合は、その措置に基づく休業
「育児を目的とした休暇」とは
休暇の目的の中に、「育児を目的とするもの」であることが就業規則等で明らかにされている休暇制度です。育児休業や子の看護休暇など法定の制度は除きます。
インターネット等の一般の方が閲覧できる方法で公表する必要があります。厚生労働省が運営するウェブサイト「両立支援のひろば」には、10万社以上登録しています。
また、公表内容①や②と併せて、任意で「女性の育児休業取得率」や「育児休業平均取得日数」など自社の実績をアピールすることができます。
令和6年7月31日に、厚生労働省は男性の育児休業取得率が令和3年10月1日から令和4年9月30日までの1年間に配偶者が出産した男性のうち、令和5年10月1日までに育児休業を開始した者の割合は30.1%と、前回調査(令和4年度17.13%)より13.0ポイント上昇したと発表しています。
育児休業の取得期間も
「1か月~3か月未満」が28.0%(23年度24.5%)と最も高く、次いで
「5日~2週間未満」22.0%(同26.5%)
「2週間~1か月未満」が20.4%(同13.2%)となっており
2週間以上取得する割合が上昇しています。
男性の育児休業の取得が進んでいる一方、下記の問題点も依然として存在しています。
男性の育児休業の取得は、少子化対策としても、女性の就労促進としても大きな効果が見込まれます。
今後は、介護などで時間に制約がある従業員も増えてきます。男性の育児休業の取得を、職場を強くする契機にしていきたいです。
男性従業員が育児休業を取得する場合の、従業員へのご説明、手続き、助成金のご案内等の対応致します。ご相談はお気軽に。