こちらのコラムでは、求人企業様や求職者様のお役に立てるような人材紹介に因んだ情報をご紹介させていただこうと思います。
第1回は、国が認めた「ホワイト企業」制度のお話です。
国から「ホワイト企業」と認定される制度があるのをご存知ですか?
日本では少子高齢化の進展に伴い、15歳から64歳までの生産年齢人口の減少が続いていることは皆様ご承知のことと思います。
このことは企業の採用活動にも大きな影響を及ぼしており、特に中小企業では新卒や第二新卒といった若者の採用や35歳以下の若年層の中途採用も大企業と比べて知名度で苦戦され、また労働条件を整備されて働きやすい環境を整えてもなかなか求職者にアピール出来ないジレンマを感じていらっしゃる採用担当の方も多いのではないでしょうか。
特に近年の傾向として、求人企業が「ホワイト企業」か「ブラック企業」なのかを気にする求職者が増えています。
求職者の多くはこうした情報を転職の口コミサイトなどで収集しますが、大企業と比べて中小企業は口コミ数自体が少なく、1件でもネガティブな投稿をされてしまうとそれが企業イメージとなってしまう恐れさえあります。
ところで、若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況が優良な中小企業を国が認定する制度があるのをご存知でしょうか。
厚生労働大臣が認定する「ユースエール制度」と呼ばれるもので、認定を受けることで、様々な支援を受けることができます。
《ユースエール認定企業となることのメリット》
- メリット1 ハローワーク等で重点的PRの実施
- メリット2 認定企業限定の就職面接会等への参加
- メリット3 自社の商品、広告などに認定マークの使用が可能
- メリット4 日本政策金融公庫による低利融資
- メリット5 公共調達における加点評価
ユースエール認定制度|厚生労働省 (mhlw.go.jp)より
このように「ユースエール認定」を受けることで様々な支援を受けられると同時に、実質「ホワイト企業」のお墨付きを国から認めてもらえるのですから、企業のイメージアップにも大きく貢献できます。
但し、「ユースエール認定」を受けるには、以下の12項目をクリアする必要があります。
《ユースエール認定をうけるには》
以下に記載されている認定基準を全て満たす中小企業(常時雇用する労働者が300人以下の事業主)であれば、認定企業となることができます。
1 | 学卒求人※1など、若者対象の正社員※2の求人申込みまたは募集を行っていること |
2 | 若者の採用や人材育成に積極的に取り組む企業であること |
3 | 以下の要件をすべて満たしていること ・直近3事業年度の正社員として就職した新卒者等のうち同期間に離職した者 の割合が20%以下※3 ・前事業年度の正社員の月平均所定外労働時間の平均が20時間以下かつ、月平均の法定時間外労働60時間以上の正社員が1人もいないこと ・前事業年度の正社員の有給休暇の付与日数に占める取得日数の平均が70%以上または取得日数の平均が10日以上※4 ・直近3事業年度において、男性労働者の育児休業等の取得者が1人以上または女性労働者の育児休業等の取得率が75%以上※5 ・「人材育成方針」と「教育訓練計画」を策定していること |
4 | 以下の青少年雇用情報について公表していること ・直近3事業年度の新卒者などの採用者数・離職者数、男女別採用者数、35歳未満の採用者数・離職者数 ・平均継続勤務年数 ・研修内容、メンター制度の有無、自己啓発支援・キャリアコンサルティング制度・社内検定などの制度の有無とその内容 ・前事業年度の月平均の所定外労働時間、有給休暇の平均取得日数、育児休業の取得対象者数・取得者数(男女別)、役員・管理職の女性割合 |
5 | 過去に認定を取り消された場合、取り消しの日から起算して3年以上経過していること |
6 | 過去に[7]から[12]までに掲げる基準を満たさなくなったため認定辞退を申し出て取り消した場合、取消しの日から3年以上経過していること※6 |
7 | 過去3年間に新規学卒者の採用内定取消しを行っていないこと |
8 | 過去1年間に事業主都合による解雇または退職勧奨を行っていないこと※7 |
9 | 暴力団関係事業主でないこと |
10 | 風俗営業等関係事業主でないこと |
11 | 雇用関係助成金の不支給措置を受けていないこと |
12 | 重大な労働関係法令違反を行っていないこと |
- ※1 少なくとも卒業後3年以内の既卒者が応募可であることが必要です。
- ※2 正社員とは、直接雇用であり、期間の定めがなく、社内の他の雇用形態の労働者(役員を除く)に比べて高い責任を負いながら業務に従事する労働者をいいます。
- ※3 直近3事業年度の採用者数が3人または4人の場合は、離職者数が1人以下であれば、可とします。
- ※4 有給休暇に準ずる休暇として、企業の就業規則等に規定する、有給である、毎年員に付与する、という3つの条件を満たす休暇について、労働者1人あたり5日を上限として加算することができます。
- ※5 男女ともに育児休業等の取得対象者がいない場合は、育休制度が定められていれば可とします。また、「くるみん認定」を取得している企業については、くるみんの認定を受けた年度を含む3年度間はこの要件を不問とします。
- ※6 [3][4]の基準を満たさなくなったことを理由に辞退の申出をし、取り消された場合、取消しの日から3年以内でも再度の認定申請ができます。
- ※7 離職理由に虚偽があることが判明した場合(実際は事業主都合であるにもかかわらず自己都合であるなど)は取消します。
若者の採用・育成に積極的な中小企業を応援します!|若者雇用促進総合サイト (mhlw.go.jp)より
既に労働環境を整備されてこられた企業様ならば、これらの基準をクリアすることで国から「ホワイト企業」として認定されますし、もし引っかかる条項があればそれをクリアすることで全国基準の「ホワイト企業」を目指す具体的な目標として定めることができます。
「ユースエール認定」は手続きこそ煩雑ですが「くるみん認定」等と比べて比較的認定を受けやすいと言われています。
CMCグループでは「ユースエール認定」手続きのお手伝いを承っております。
どうぞお気軽にご相談ください。