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人事労務かわら版 令和6年9月号

フリーランスの方が安心して働ける環境を整備するため、

①フリーランスの方との企業などの発注事業者の間の取引の適正化

②フリーランスの方の就業環境の整備

を図ることを目的として「フリーランス・事業者間取引適正化等法」が2024年11月1日に施行されます。

同法は、大きくわけて⑴下請法と同様の規制と、⑵労働者類似の保護の二つの部分に分けられます。

【下請法と同様の規制】

①契約条件明示義務

業務委託をした場合、書面等により、直ちに、取引条件を明示すること。

②報酬支払期日の設定・期日内の支払い

発注した物品を受取った日から数えて60日以内に出来る限り早い日に報酬支払期日を設定し期日内に報酬を支払うこと。

③禁止行為

フリーランスに対し、1か月以上の業務委託をした場合、次の1つの行為をしてはならないこと

 ・受領拒否 ・報酬の減額  ・返品  ・買いたたき  ・購入・利用強制

 ・不当な経済上の利益の提供要請   ・不当な給付内容の変更・やり直し

【労働者類似の保護】

④募集情報の的確表示

広告などにフリーランスの募集に関する情報を掲載する際に

 ・虚偽の表示や誤解を与える表示をしてはならないこと

 ・内容を正確かつ最新のものに保たなければならないこと

⑤育児介護等と業務の両立に対する配慮

6か月以上の業務委託について、フリーランスが育児や介護などと業務を両立できるよう、フリーランスの申出に応じて必要な配慮をしなければならないこと

⑥ハラスメント対策に係る体制整備

フリーランスに対するハラスメント行為に関し、措置を講じること

⑦中途解除後の事前予約・理由開示

6か月以上の業務委託を中途解除したり、更新しないこととしたりする場合は、

 ・原則として30日前までに予告しなければならないこと

 ・予告の日から解除日までにフリーランスから理由の開示の請求があった場合には理由の開示を行わなければならないこと

実務対応① フリーランスに対し発注を行う際に、上記の契約条件を明示することができるよう、契約者、発注者、利用契約等の書式を整備し、実際に発注時にこれをフリーランスに交付する仕組みづくりが求められる。下請法の対応ができていればその対象をフリーランスに拡張する

実務対応④ フリーランスの募集を行うには、発注時にフリーランスに対し提示すべき契約書、発注書等の内容をあらかじめ固めておき、その内容のまま募集することが望ましい。募集情報と契約条件との齟齬(そご)を防止して、的確表示義務違反といわれるリスクを低減することができる。

実務対応⑥ 労働者につき現状講じているハラスメント対策をフリーランスへも拡張適用する。現時点でハラスメント対策を行っていない場合、労働関係法規に違反している可能性が高いので早急な対応が求められる。

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